「料金が未払いです」
「荷物をお届けできませんでした」
「カードを停止します。すぐに確認してください」
こんなSMSやメールが届くと、本物なのか詐欺なのか、不安になりますよね。
私も以前は、届いた文面をChatGPTに見せて「これは詐欺ですか?」と聞いていました。怪しい点を整理してもらえるのは便利です。
ただ、ここで一番大切なのは、ChatGPTの答えだけで本物・詐欺を決めないことです。AIは間違えることがあり、送信者の身元やリンク先の安全を保証できません。
まず覚えておきたいのは、次の一言です。
怪しいと思ったら、押さない・返信しない・電話しない。メッセージを閉じて、公式の窓口を自分で開いて確認する。
警察庁も、メールやSMS内のリンクを安易に押さず、公式アプリや、あらかじめ登録したブックマークなどから正しいサイトへ接続するよう案内しています。
この記事では、怪しい連絡が届いたときの対処を、スマホ初心者の方にも分かる順番でまとめます。
怪しいSMSやメールが届いたら、最初にする5つのこと
リンクやボタンを押さない
「確認する」「支払う」「ロックを解除する」などのボタンがあっても、押さずに止まりましょう。
会社のロゴや正しい名前が表示されていても、本物とは限りません。警察庁によると、メールの送信元名称やアドレスは変更・偽装されることがあり、見た目だけで真偽を判断するのは困難です。
返信せず、書かれている番号へ電話しない
メッセージに書かれた電話番号も、相手が用意した偽の窓口かもしれません。
返信や電話をせず、いったん画面を閉じます。慌てて削除する必要もありません。
公式アプリや正規の連絡先から確認する
カード会社ならカードの裏面、銀行なら通帳や公式アプリ、宅配会社なら普段使っている公式アプリから確認します。
メッセージ内のリンクや電話番号は使いません。「いつも使っている入口から自分で確認する」と覚えておくと安心です。
たとえば宅配便の不在通知なら、SMSのリンクではなく、公式アプリに同じ荷物が表示されているか確認します。
家族や相談窓口に見せる
ひとりで判断しにくいときは、家族や信頼できる人に見せましょう。
相談するときは、「まだリンクを押していない」「情報は入力していない」など、今の状況を伝えると話が早くなります。
不安が残る場合は、警察相談専用電話の #9110、または消費者ホットラインの 188 に相談できます。
迷惑メッセージとして報告・ブロックする
偽物と分かったら、スマホやメールアプリの「迷惑メッセージを報告」「ブロック」などの機能を使います。
フィッシング対策協議会でも、不審なメールやSMSの報告を受け付けています。SMSはスクリーンショットを添えて報告できます。
ChatGPTは「判定役」ではなく「整理を手伝う補助役」
ChatGPTにできるのは、文面の中にある怪しい点を整理することです。
たとえば、次のような特徴を見つける手伝いをしてもらえます。
- 「本日中」「すぐに」など、急がせている
- 利用停止や逮捕などの言葉で不安をあおっている
- パスワードや認証コードを求めている
- 振込や電子マネーでの支払いを求めている
- メッセージ内のリンクからログインさせようとしている
- 文章や会社名、連絡方法の組み合わせが不自然
ただし、自然な日本語で書かれた詐欺もあります。怪しい特徴が見つからないからといって、安全とは限りません。
ChatGPTには、次のことはできません。
- 送信者が本当にその会社か確定する
- URLや電話番号の安全を保証する
- 「詐欺ではない」と最終判断する
- 警察、銀行、カード会社の調査に代わる
ChatGPTが「本物の可能性があります」と答えても、そのままリンクを押さないでください。最終確認は必ず公式アプリや正規の窓口から行います。
ChatGPTに相談するなら、個人情報を消してから
怪しい文面をChatGPTへ入力するときは、次の情報を削除するか「○○」に置き換えます。
- 氏名、住所、電話番号、メールアドレス
- 口座番号、カード番号、暗証番号
- ID、パスワード、認証コード
- 会員番号、注文番号、荷物の追跡番号
- QRコード、バーコード
- マイナンバーや本人確認書類の画像
パスワード、暗証番号、カード番号、SMSで届いた認証コードは、ChatGPTにも入力しません。
スクリーンショットを使う場合は、画面上部の通知、他の人との会話、氏名や電話番号などが一緒に写っていないか確認します。画像を隠す操作に自信がないときは、画像を送らず、個人情報を除いた文章だけを入力するほうが安全です。
怪しいリンクを撮影するために、わざわざリンクを開く必要はありません。
そのまま使える質問例
次のSMSについて、詐欺と断定せずに、怪しい点を整理してください。本物か確認する安全な方法と、今してはいけないことも教えてください。リンクは開かない前提で答えてください。 【個人情報を消した文面】 ○○カードです。不正利用を確認しました。本日中に下のリンクから本人確認をしてください。
聞くのは「詐欺ですか?」だけではなく、怪しい理由・安全な確認方法・してはいけないことの3点です。
個人情報の扱いについては、ChatGPTに入れてはいけない個人情報とは?もあわせてご覧ください。設定面が心配な方は、ChatGPTを安心して使うための基本設定で確認できます。
よくある3つの例と、安全な確認方法
「携帯料金が未払いです」
SMSのリンクは押さず、携帯電話会社の公式アプリや、契約書に載っている窓口から料金状況を確認します。
「パスワードをリセットしてください」
メールのボタンは使わず、普段使っているアプリを自分で開きます。アプリ内に同じ警告があるか、ログイン履歴に不審な動きがないかを確認します。
「支払い方法を更新してください」
メールからカード情報を入力せず、公式アプリや公式サイトを自分で開いて、登録情報や利用明細を確認します。
どの例でも、基本は同じです。
メッセージから移動せず、いつもの公式アプリから確かめる。
すでにリンクを押してしまった場合
リンクを押しただけで、情報の入力、アプリのインストール、通知の許可などをしていない場合は、まず画面を閉じます。
その後、次の点を確認します。
- IDやパスワードを入力していないか
- カード番号や口座情報を入力していないか
- アプリやファイルを入れていないか
- 身に覚えのない請求やログイン通知がないか
不安な場合は、利用している携帯電話会社の公式サポートや、IPAの「情報セキュリティ安心相談窓口」へ相談できます。
ID・パスワードやカード情報を入力してしまった場合
できるだけ早く、次の順番で対応します。
- 銀行やカード会社など、被害のおそれがある会社の公式窓口へ連絡する
- 公式アプリや正規サイトからパスワードを変更する
- 同じパスワードを使っている他のサービスも変更する
- 利用明細やログイン履歴を確認する
- メッセージや振込記録などを削除せず保存する
- 警察や消費生活センターへ相談する
警察庁は、普段使っているIDやパスワードをフィッシングサイトに入力した場合、同じ情報を使っているすべてのサービスで速やかに変更するよう案内しています。
不正送金やカードの不正利用があれば、銀行・カード会社にすぐ連絡します。具体的な被害がある場合は、最寄りの警察署または警察庁のサイバー事案相談窓口にも相談してください。
「恥ずかしい」と思う必要はありません。早く相談することが、被害を広げないための大切な行動です。
迷ったときのチェックリスト
- □ メッセージ内のリンクを押していない
- □ 返信や、記載番号への電話をしていない
- □ ID・パスワード・認証コードを入力していない
- □ 公式アプリや正規の窓口から確認した
- □ ChatGPTの答えだけで安全と決めていない
- □ ひとりで判断せず、必要なら家族や相談窓口へ相談した
一つでも不安が残るなら、そこで操作を止めましょう。「何もしないで確認する」のも、立派な詐欺対策です。
まとめ|押さずに止まり、公式の入口から確認する
怪しいSMSや偽メールが届いたときに大切なのは、慌てて本物か詐欺かを当てることではありません。
- リンクを押さない
- 返信や電話をしない
- 公式アプリや正規の窓口から確認する
- ChatGPTは怪しい点を整理する補助として使う
- 情報を入力した場合は、すぐに公式窓口へ連絡する
迷ったら、「押さない・返信しない・電話しない」。
ChatGPTは、立ち止まって考える手助けにはなります。しかし、最後に頼るのは、相手が名乗る会社の公式窓口や、警察・消費生活相談などの専門窓口です。
参考にした公的情報
- 警察庁「フィッシング対策」
- 警察庁「サイバー事案に関する相談窓口」
- フィッシング対策協議会「フィッシングの報告」
- IPA「情報セキュリティ安心相談窓口」
- 国民生活センター「個人情報等を伝えた場合の対処」
※この記事は2026年7月20日時点の公的情報をもとにしています。個別の被害や緊急性がある場合は、金融機関、カード会社、警察などの公式窓口へ直接ご相談ください。

